粕汁談義



「…うん、小国日本だとばかり思ってたけど、色んな味の違いがあるんだね。」
「これが…文化の違いってやつか。」
気を使ってか「まずい」とは言わないものの、東北二人組が美味しいと思っていないのは明らかだった。
ガリクソン宅での夕餉時。ガリと同期のS先輩を招いて、何か作ろうという話になったのだ。
とても寒い日だったので、あらかじめ私の中で献立の一つはもう決定済みだった。
そう。こんな寒い日は粕汁でほっこり温まるのが一番体にいい。
粕汁にしよう、と提案すると、東北出身の二人は「粕汁?」とハテナ顔だった。
そうか、粕汁って関西だけの食べ物なのかな。東北にはないものなのか。
「甘酒なら飲んだことあるけど…大体、酒粕というものの存在すらしらなかった。」というガリクソン。
「でも、食べたことないものってわくわくするよね!楽しみだなー。」とS先輩。
 期待されれば、作り甲斐もあるというもの。腕によりをかけて(って言ってもトン汁に酒粕を溶いただけだけど)作って、
どきどきしながら待った二人の反応が冒頭の、なんともいえない答えだったのである。

「あ、なんかご飯がすすむ味だね…。」そう言いながら、ご飯ばかり食べて一向に粕汁が減らないガリクソン。
普段なら痩せの大食いで必ずおかわりするS先輩も、一杯飲んだだけでおかわりなし…。

なんだか腹が立ってきて、寸胴鍋一杯に作った5杯分を一人で平らげてやった(そしておなかを壊した)2年前の冬。
今でも時々、粕汁が話のネタになっている。異文化理解だ、カルチャーショックだと、ひどい言われようだ。

でも今年も、秋も深まり寒さが身に染みるようになってくると、懲りずに必ず食べたくなる私。
故郷の味であり母の味でもある、粕汁。
ほくほくのサトイモに、味のしっかり滲みた大根。油揚げに、家は鮭より豚派だったな。
そして、とろーりとろとろの白みそ味の酒粕の舌触り…。
文字に起こすだけで、このくそ寒い中「いっちょスーパーまでひとっ走りして酒粕買ってくっか!!」となるくらい美味しいのになあ。
関西と関東(東北?)との文化の違いを感じた瞬間でした。
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